宝島(鹿児島県/トカラ列島)

島の周囲は13㎞。人口は116人。


鹿児島港から、船で約12時間。

トカラ列島の最南端に位置するのが宝島です。


本当にこんな名前の島があるなんて。


キャプテンキッドの財宝が眠る、という伝説もあるそうで。



トカラ列島には、7つの有人島と5つの無人島が属し、

その島全部で1つの村、十島村(としまむら)です。


村の長さはなんと160㎞。日本一長い村となっています。

十島村役場の本庁舎は本土の鹿児島にあり、

村内(島の中)にはありません。

 

(こういうケースは珍しく全国で3つ。いづれも離島。)

 

 

アクセスがとても悪く、

鹿児島港から12時間かかるフェリーは週2回の就航。

 

行くのも、帰るのも一筋縄ではいきません。

 

また、つい昭和の終わりまで、

トカラ列島では電気が使える時間が限られていて、

宝島の1つ北に位置する小宝島では、

24時間送電可能になったのはつい1979年のこと。

 

今では各島の港が整備され船が接岸するので

フェリーからの人の乗り降りや荷卸し荷積みがスムーズに行われますが、

 

しばらく前までは、

そのちけいのせいで港に船が接岸することができず、

沖合にフェリーを停泊し、

小さい船で、人や荷物を島まで往復で運ぶ

「艀(はしけ)」作業が行われていました。

 

艀には、力作業が必要なことから

島の男手が必要とされ、

この作業を行う程の年齢の男性が確保できなかったことも後押しし、

無人島になってしまった島もあるほどです。

 

牛などは泳がせて渡していたのだとか。

 

 

とても厳しい島の環境ですが、

それ故に育まれてきた島の雰囲気や文化でしょうか、

トカラはとても魅力的な島です。

 

 

2015年5月29日(金)23時に鹿児島港を出るフェリーで出発。

 

船が出るのは3日に1回なので、

1回島に渡ったら何泊か泊まるスケジュール立てが必要です。

 

トカラ列島の各島々に停泊しながら最南の宝島へ。

遅れることもかなりあるようですが、

この日も例にたがわず、1時間以上遅れて島に到着。

 

港に民宿のご夫婦が港に迎えに来てくださっていましたが、

船が遅れることも茶飯事なので、

ごく当たり前と言った感じでした。

滞在中お世話になったのは、


民宿サンゴ礁。


60代の明るいご夫婦が経営されていていました。


予約の電話をした時に、

「お昼ごはん作って待ってるからね~!」

とお母さんに言って頂きましたが、


島には飲食店はなく、

鹿児島を出発してから13時間の船旅だったので、

とてもありがたかったです。


宿の部屋はこんな感じ。↓


午後は、

あまり天気もすぐれなかったので、

遠出はせずに、集落周りを簡単に散策に。



面積は約7k㎡ですが、

その大部分や牧場や山となっていて、

人の住む集落は1か所に集まりコンパクトにまとまっています。


島唯一の売店↓


食品・日用雑貨など生活必需品がそろいます。

船が到着後はパンなどもありました。


わずかですが、島のおみやげも並んでいました。


集落は、歩いて全ての家を回れるほどの距離です。

荷物を運んだり、離れた畑や牧場に行く時は

島の方は主に軽自動車を使っているようですが、

軽自動車でも、わたしは運転をためらうような道の細さ。


しかし島の方は慣れたものですね。


集落の中はこんな雰囲気です。


港から集落へ続く道。

この日は雨雲がかかっていました。


夕方からは、スコールのような強い雨が降り始めたため、

民宿の部屋でのんびり読書を。


どうしても、離島に行くと、

島内を探検に出てしまうのですが、


こういう本を読んだり、

何もしない時間を過ごすのも島時間が感じられていいと思います。


民宿のお夕飯。↓


たいていの場合、辺鄙な島に中途半端な時期に行くことが多いので、

夕食は民宿で一人、ということがよくあるのですが、


この日は、

トカラ列島の建築を担当している、という方がご一緒でした。


翌日は、少しだけ天気が回復。


朝食の時に、

民宿のおじさんに、島を案内するから、とお誘いいただき、

10時に出発の待ち合わせ。


民宿のおじさんの車で集落の中を進んでいくと、

家の前で作業中のおばあちゃん。


にんにくの皮をむいているんだとか。


1つ食べてみなさい、とくれました。

大きなにんにく!


車で、島の外周へ。


大瀬崎へ。


島には2箇所、共同の牧場があり、

その先にある場所へ行くときは、

牧場を通り抜けていく必要があります。


その際は門の開け閉めをしっかりしないと牛が逃げてしまうので、

通過したら必ず門を閉めます。


大瀬崎から臨む、女神山。↓


宝島にある女神山って、

ネーミングがもう素晴らしい。


大瀬崎からの海。↓


車から、草むらを進むとき、

民宿のおじさんは杖のような長い棒で、

草を叩いて、かき分けて進んでいました。


ハブがいるかもしれないから。とのこと。


わたしも滞在中一度も遭遇しませんでしたし、

そうそう頻繁に出てくるものではないかもしれませんが、

やはり対策はしっかりして気を付けたいところ。


こちらは鍾乳洞。↓


観光にひとりで来て、

中に入っていくのは少し勇気がいるかもしれません。


民宿のおじさんが案内してくれて良かった、と思いました。


案内板に記載されている、

「宝島には、およそ6つくらいの鍾乳洞が」という文。

およそ、というアバウトな感じがいいですね。


鍾乳洞とは呼べないかも知れないものも1つカウントしているから、

6つくらいにしてあるのか、

それとも、発見に行ってないけど、実はまだあることだけは分かっていて

6つくらいにしてあるのかは謎なところです。



こちらの鍾乳洞の中は、結構深いです。


わたしは降りませんでしたが、

降りて中に進むこともできるそうで。


その昔は、島中の人がこの中に集まって

料理やお酒を持ち込み、

宴会を行い、雑魚寝で宿泊することもあったんだとか。すごい。


そして、鍾乳洞の入り口の手前に、

観音堂が。とから観音です。↓


男性のみなさん、必見です。


このとから観音は、7度半詣でるとお嫁さんがもらえるそう。


ちょっとアクセスは悪くても、

人生を思えば行く価値はあるのではないでしょうか。


イマキラ岳展望台から。


かなり急な坂をのぼったところにあります。


晴れていたらもっと遠くまで見渡せるのに、と

民宿のおじさんが残念がっていました。


車に乗せて頂いたので、

ざっと各スポットを回ることができました。


民宿に戻って昼食。




午後は、自転車を借りて

島内をサイクリングに。


普通の自転車でいいですよ、と言ったのですが、

普通の自転車がなかったらしく、電動自転車をレンタル。


集落の路地以外に、

島には村道や道が数本あり、島を1周できるようになっています。


まずは港から海の方へ。


せんご港。


港になっていて、その横が岩場の浜になっています。


水深が深いのか、海の色はとても濃く。


宝島小中学校。↓


生徒は16人ほど。


その中には、山海留学生という生徒も。

これは、都会の生徒が島などに下宿をして島の学校に通うというもの。


わたしのお世話になった民宿にも、

2名の中学生の生徒さんがいました。


夕飯の時に、少しだけお話をしましたが、

中学校には、パソコン部とバトミントン部の2つの部活があるそう。


こちらが校庭。↓

ここで運動会もするのかな。


また、生徒が16名と書きましたが、

驚くべきは、未就学児がその下に10人も控えているという事。


116人と人口は少ないのですが、

その少ない人口が減っていないばかりか、

子どもが増えているんです。


集落を散策している時に、

歳の近い島の女性に数人お会いし、少しお話を聞きましたが、

なんと、都会からのIターン(移住)者。


6組のIターンの家族がいるそうで、

人口比から考えるととても多いと思います。


きっかけはwebでの紹介だという人、

先に移住した友人を訪ねたらこの島が気に入り決めた、

もっと南の島へ行くつもりが、最初に訪れたこの島が気に入った、

など理由は様々ですが、


宝島は、トカラの中でも異例でIターンが多く、

他の島と雰囲気が違う、と島関係者が言っていました。


アクセス面から考えるととても不便な島なのですが、

やはり、それ故の強い魅力があるのでしょう。



学校に立ち寄り後は、サイクリングの再開。


公道というには少し心許ない道で、

かなりのアップダウンがあり、

結果的に、電動自電車で良かったなと。


普通の自転車であれば挫けていたかもしれない道もたくさんありました。


レンタルするなら電動をお勧めします。




荒木崎の灯台へ向かいます。


ここにも牧場があり、

門を開け中に入り、また閉じて進みます。


ここから先は徒歩で。


この続く先に見えるのが荒木崎の灯台です。↓


道を歩いているようですが、

牧場の中を歩いていくことになるので

もちろん牛がいました。


真横を通るので、少し緊張。


こちらを見ていたようでしたが、

特に動く気配もなく。無事に横を通過。


牧場を超えて、

また反対側の門を出ると、灯台です。


荒木崎から臨む、

イマキラ岳と、島と、海。


とてもキレイでした。


民宿に戻った後はお夕飯。


島の人が釣った魚を民宿のお母さんが煮つけにしてくれました。

もちろんハンバーグも手作り。


客はわたし1人なのに、

ご飯を作っていただくのは申し訳なくも。


とても美味しかったです。


宝島には特に居酒屋などもなく、

夜は本当に真っ暗なので、

夕食をいただくと、部屋で読書という過ごし方。


昼のサイクリングの疲れか、寝るのもものすごく早く、

比例して、早起きに。


超早寝、超早起き、というサイクルでした。


3日目の朝ごはん。↓


朝ごはんを食べている時に、

民宿のおじさんが、

もし昼間太陽が出れいれば、昨日の展望台まで、

軽トラックに自転車を積んで連れていくよ。

とおっしゃってくださいました。


昼食までに天気を見ながら考えよう、とのことで

午前中はせんご港へ。


こういう人の往来の少ない離島は、

風景をひとり占めできるのも良いです。


しばらくボーっとしていましたが、

誰一人現れませんでした。


穏やか。


民宿に戻って昼食です。

客としてのご飯というより、

家族のご飯を分けてもらうという感じ。


あったかくてこいうの好きです。


快晴ではないけれど、

晴れ間も射してきたので、展望台へ行くことに。


民宿のおじさんが軽トラで自転車ごと運んでくれました。

電動自転車なのに、この体たらく(笑)


ただ、本当に急勾配な坂道の上にある展望台なので、

ものすごく、助かりました。

おそらく、電動自転車でも降りて押さないと、登らなかったろうな。


イマキラ岳の上にある展望台。

昨日よりは晴れています。



展望台から荒木崎灯台を見下ろす。



遠くに、微かに島が見えます。

もやがかかっていないと、もっとくっきり見えるんだとか。


でもきれい。



帰りは下りなので、自転車で。


次は、先ほど展望台の上からのぞいた荒木崎灯台へ。

昨日より天気がいいので、

もう一度行ってみることに。



島の外周の道はほとんどこんな感じ。

道幅も狭く、舗装が昔の感じ。


時折蜘蛛の巣が道の真ん中に張っていることがあるので要注意です。



昨日と同じように、

牧場の門を開けて、閉めてから灯台へ向かいます。



あの岩の名前は何だったか・・



荒木崎灯台から、

イマキラ岳と、海を臨む。


やはり快晴ではないけれど、

昨日よりは陽が射しています。



島には砂浜はそれほどないですが、

見下ろす海もまたきれいです。



民宿にもどって、

これが最後のお夕飯。


民宿の食堂には、先客が。

聞けば、島にIターンで働きにやって来ている女性で、

なんと同い年でした。


民宿のご夫婦の、落花生畑の草むしりを手伝ったお礼のお夕飯だとか。

民宿のお母さんによれば、

その女性は本当に明るい元気な働き者で、

休みのたびに島の人のお手伝いに引っ張りだこなんだとか。


会話の弾む、楽しい夕食になりました。



そして、最終日の朝ごはん。

4日もお世話になると、

やはり少し寂しくも。


毎度、美味しいご飯をごちそうさまでした。



フェリーの時間まで、軽く集落を散歩した後、

民宿の食堂で、出発を待ちます。


元、島の郵便局の局長さんで、現在は十島村村議を務めているという

民宿のおじさんから、島の話がいろいろ聞けました。


また、民宿のおじさんが一番好きだというお菓子「兵六餅」

食べなさい、と下さいまして。


ボンタン飴の抹茶味、みたいなお菓子でしたが、

わたしが美味しいというと、

なんと2箱もお土産にくださいました。


いろいろお世話になり、とても良くしていただきました。

こういう温かい民宿はいいですね。本当にありがとうございました。


小さな島なので、

4日もあるとある程度は回れてしまうものですが、

もう少しいても良いような、そんな寂しさも。


キャプテンキッドの財宝も見つからなかったしなあ。(笑)


宝島、機会があればまたぜひ行きたいです。