ペンギン・ハイウェイ(森見登美彦)

ペンギン・ハイウェイ  (2010年 角川書店 森見登美彦著)

 

 

やられたー!

というか、そう来たか!という感想。

 

とてもおもしろかったです。

 

ただ、この「やられた感」を味わいたい方は、

ぜひ森見登美彦さんの作品を何冊か読んでから

チャレンジしていただきたい。

 

この本の帯に、「森見登美彦、新境地へ」と

書いてありましたが、まさに納得。

 

以前の作品は、京都を舞台にした、クセのある古風なものですが、

今回の「ペンギン・ハイウェイ」は、

まさにスタイリッシュ?と言うべきかも知れません。

 

でも、ニクいのがそんなスタイリッシュ?さの中に、

やはりヘリクツがこねくり回されているところ。

ただ、それを使いまわしているのがダメ大学生でなく

子どもだというのが、もう反則ですね。

かわいすぎるほど。

 

 

 

物語の主人公は、

郊外の新興住宅地に住む小学4年生。

彼の住む街に突然現れた謎のペンギンや不思議な現象を

解明(研究?)しようとしたり、

クラスメイトと街を冒険をしたり地図を作成したりするのを

小学4年生の視点で描いていくお話です。

 

冒頭でぼくは言う、

「ぼくはたいへん頭がよく、しかも努力をおこたらずに

 勉強するのである。

 だから、将来はきっとえらい人間になるだろう」

 

なんていうか、この感じが、もう何とも言えない。

小学4年生なのに、

まるで学者のような話し方をする主人公は、

日々何かを研究し、ノートを書きためています。

 

また、おそらく20代半ばである歯科医院のお姉さんが

気になって仕方ないぼくは、

お姉さんのことも研究するという。

 

ファンタジーなので、

ストーリー自体は、「え?そんなんありなの?」と

思ってしまいますが、

雰囲気と、「ぼく」のキャラクターだけで

十分すぎるほど楽しめると思います。

 

 

この小学4年生の少年が、あまりにツボすぎて、

普段、「結婚したい!」とか「子どもが欲しい!」とか

全く思わないというか、口にしないんですけど、

「こんな子どもが欲しい!」と思ってしまうほどでした。

 

理屈・ヘリクツ好きにはぜひおススメしたい1冊です。