フィッシュストーリー(伊坂幸太郎)

フィッシュストーリー (2007年 新潮社 伊坂幸太郎)

 

 

短編集になっていますが、

その中に集録されている、タイトルと同じ「フィッシュストーリー」が

ものすごくおもしろい。

 

伊坂幸太郎さんにハマるきっかけになった1冊。

 

時代も場所も、まったく別のところで起きていたことが

1つに繋がる瞬間が爽快すぎる。

発売当時は誰も聞かなかった曲が、時空を超えて奇跡を起こす。

 

ストーリーは、

40年前、まだセックスピストルズが登場する前に彼らは登場した。

日本のロックバンド、「逆鱗」。登場する時代が早かったんだ。

これがラストチャンスだと言う、事務所からの通知付きの、

最後のレコーディング。

 

ボーカルがつぶやく、売れないであろう自分たちの歌に、

「いい曲なんだよ、届けよ。誰かに」

そして、レコードにある秘密が隠される。

 

カギとなるセリフ、「礼なら、父に」

 

何て言うか、普段生きている人生の中で、

自分を取り巻く、周囲の人がいて、友人や家族とか、仕事仲間、

近い人から遠い人まで。

多かれ少なかれ、少しずつ影響を与えているのは良く分かるけど、

実は、わたしのしたことが、

全くわたしとは人生で関わることのない誰かに大きく影響したり、

あるいは、世の中ですら変えてしまうキッカケになるのことが

あるかも知れない。

 

人に、影響を与えるものとしては、本だったり、映画だったり。

わたしも、自分の持っている人生観は中学生くらいの時に観た映画とか本に

強く由来していると思う。

何気ない学校の先生の一言だったり、テレビやラジオだったり、

そういうものに影響されて、人生が変わったりする人は多いかもしれない。

 

あるいは、音楽とかもそう言うのがすごく強くて、

ロックバンドとか、そういうものが若者に与える影響って大きいと思う。

音楽そのものの歌詞とかもそうだけど、

牽引すると言うか、ボーカルの人間性とか、MCとか。

 

ただ、そう言う、誰かに届けようとした意図的・主観的なものじゃなくて

自分のしたことが大きく、誰かを動かしていたら、

さらには、世界までも変えてしまったら

すごくおもしろいと思う。

 

そんな1冊。

仕掛け方は、伊坂幸太郎、天才だと思う。

 

短いので、ちょっとした合間にすぐ読めると思います。