女の子ものがたり

女の子ものがたり (2009年 森岡利行監督)

 

 

シネマテークで観ました。

 

西原理恵子さん原作の映画です。

 

これを観たのは26歳の時ですが、ぜひ同じくらいの年齢の

女性(20代後半から30代前半)に観てほしいなって思います。

 

主人公の菜都美(深津絵里)は、スランプ真っ只中の漫画家。

昼間からビールを飲み、部屋はゴミだらけ。原稿は出さない。

 

グダグダを絵にかいたような生活に、

原稿を回収に来た出版社の担当から

「あなた、彼氏いないでしょ。友達もいないでしょ」と言われてしまう。

 

それをきっかけに、過去の回想に入ります。

お母さんの再婚をきっかけに引っ越してきた小学生菜都美には、

2人の友達ができる。

3人はいつも一緒。

母子家庭で、貧しく汚い家だったり、兄弟大人数団地住まいと言う、

育ちの悪さ、貧しさの中で、男の子たちから「貧乏貧乏」と

いじめられながらも、

一生懸命「女の子」を生きている。

「親友」って言葉の意味も良く分からないまま、

「どこかに、わたしのこと全部好きな人がいますようにー!!」と願う。

 

やがて、高校生に成長した3人は、

化粧をして少し大人に近づいて、不良へと憧れる。

不良にホイホイついて行ったり、悪い人の車に乗ってしまって、

簡単に体の関係を持ったり。

 

菜都美だけが、それを好まずに、同級生の男の子と淡い恋をする。

残りの2人は、悪い人、悪い人に惹かれて、やくざと付き合ってみたり、

彼氏に暴力を振るわれてなお、

「わたしのお父さんもあんな人だったんかなー」

「しんちゃんのそばにおれるんはわたしくらいよ」と言う。

そのうち、兄弟大人数の子の両親が犯罪で逮捕されてしまい、

幼い兄弟の生活のために、高校を中退してスーパーで働き始めるも束の間、

結局は水商売へと。

 

その後、結局菜都美以外の2人は地元で10代のうちに結婚をする。

旦那に暴力を振るわれ、水商売で働いたお金をせびられる毎日。

それでも2人は幸せだと言う。

菜都美は、それが幸せそうに見えない。

とうとうしびれを切らして言ってしまう。

 

「全然幸せそうじゃないよ」と。

もちろん、大切な友達のことを思っての一言。

それを受けた友達は

「どうせ、あんたは、わたしと自分とは違う。

こうはなりたくないって思ってるんでしょ」と言う。

 

菜都美も売り言葉に買い言葉で「思ってるよ」と言ってしまう。

もう、女同士が掴み合って殴り合って、本気のケンカ。

 

友達が菜都美に言う、

「あんたなんか、友達でもなんでもない。この町から出て行け!」

このシーンがとても切ない。

 

これを機に、菜都美は上京をして、漫画化への一歩を踏み出すんだけど、

菜都美の再婚のお父さんも、ギャンブル好きなうえに仕事で失敗して

借金作って自殺して。

 

菜都美が上京する時に、お母さんが、そっとお金を手渡すシーンも切ない。

 

そしてまた、現在に戻り、菜都美(深津絵里)が友人を訪ねる、と言うお話です。

 

 

何て言うか、わたしもやっぱり、菜都美側の視点にいて、

いやむしろ、菜都美よりももっと、友達2人を理解できない立場に

いるかもしれない。

 

友達が酒癖の悪い旦那に殴られていたら、

大批判するだろうし、大切な友達なら、何とかしようとするかもしれない。

そもそも、そんな友達がいるのかすら疑問な立場だ。

多分、この子たちの中に、わたしは居場所を見つけられないかもしれない。

 

ただ、ここまで暴力とかじゃなくても、

おんなじようなことは結構あるかも知れないよね。

どうでもいい人ならその人がどうしようが本当にどうでもいいのだけど、

大切な友達なら大切なほどに、その人の幸せを願う。

時に、口も出してしまうかもしれない。

「そんなのダメだよ!」とか。

もちろん自分の価値観で。

 

ただ、幸せの定義って本当に人それぞれ。

例えば、忙しくする状態を幸せと言う人もいれば

(仕事ばかりしてても楽しいとか)

暇な状態(仕事なんて休みの方が嬉しいとか)を幸せだと思う人もいる。

 

それと同じように、そんな殴るような人なんかと一緒にいて

幸せなはずがないと(わたしは思うけれど)

 

もしかしたら、例え殴られてでも一人よりはまし、

と思う人がいるのかもしれない。

その人に「そんなの幸せじゃない!」と言ったところで、

それは、わたしの思う「幸せ」の意味を押しつけているだけなのかも。

逆から見たら「軽蔑」と言うことになってしまうのかな。

 

難しい。

相手想う気持ちって強くてもすれ違ったりするんだよね、きっと。

 

ただ一つ思うのは、

やっぱり幸せについての価値観を形成していく中で、

小さい頃から「暴力はダメだよ、やさしい子になってね」って

言い聞かせられて育った子と

常日頃、殴られて育った子とでは、暴力に対する価値観も違うよね。

これから先に、子供を持ちたいなって人は、

本当の意味での子供の将来を考えてあげてほしいですね。

わたし、経験も予定もないのに偉そうなこと言えませんけど。

 

そして話がちょっとそれました。

この映画を観終えて、友達っていいな、と言うよりは

友達と言うものについて、考えさせられたような気がしました。

 

大切だけどね、友達。

 

ぜひ、同世代の女性に観てほしいなと思う1本です。