あぜ道のダンディ

あぜ道のダンディ  (2011年 石井裕也監督)

 

 

 

すごく笑えるのに、すごく泣ける。

そんな映画でした。

 

不器用すぎる家族の絆と、

中年男の友情がテーマになっています。

 

主人公の宮田(光石研)は、

妻に先立たれ、男手ひとつで

浪人中の息子と、高三で受験生の娘を育てているが

不器用すぎるというか、天然というか、

子どもたちと全くコミュニケーションが取れない。

そんなときに、胃に違和感を覚え、

自分が妻と同じ胃がんではないかと疑い始める。

 

また、宮田には古くからの親友、真田(田口トモロヲ)がいる。

真田は子どもがいないことと、長い間親の介護があったことで

奥さんと別れている。

真田にだけは病気のことを打ち明け、

残された時間で何とか子どもたちと

コミュニケーションをとろうと奮闘していくお話です。

 

もう、何ていうか、

ダメおやじぶりが最高。

 

娘とはロクに会話もできないままだし、

 

DSのような携帯ゲームで遊んでいる息子と、

通信機能を使って自分も一緒にやりたいと、

こっそり家電量販店に同じゲーム機を買いに行くも、

 

店員に聞いた方がいい、という親友・真田のアドバイスに、

「そんなことしなくていい!」と一喝。

これに決まってる!と買った「ポケボーイ」という

謎のゲーム機を持って息子に近寄ると、

「それ、俺が持ってるのと違う」

と冷たくかわされてしまう。

 

これだけだと、本当に救いようのない

ダメ主人公なのですが、

この映画の素敵なところは、

中年男の友情だと思います。

 

ぶっきらぼうで、不器用で、愛想がなくて、

思い込みが激しくて、頑固で、意地っ張りで、

それのどこがダンディなんだ・・と思うほど

正真正銘のダメおやじなんだけど、

そんな宮田を親友・真田が

とても温かく支えています。

 

宮田はそんな真田にすら、時に意地を張ってしまうのに、

そんな部分も含めて、連れ添うのが親友なのかもしれません。

 

 

中年男の、カッコいいとは言えない

友情に、観ていて涙が止まらないんだから

一本取られた!

という感じです。

 

最終的には、「ダンディ」というタイトルであることを

納得してしまう気がしました。

 

 

そして、この映画は群馬ロケを行ったので、

群馬在住の方は、別の意味でも

おもしろく観られるかも知れません。

 

わたしは、この映画に登場する

「小塙」という居酒屋がとても好きです。

 

 

泣いたり笑ったり忙しいですが、

温かいものに触れたい人はぜひ。